1846年5月4日、フランス北東部ロレーヌ地方ナンシーで、鏡ガラス工場を経営する事業家、 シャルル・ガレの家庭に生まれる。リセでは優秀な成績をおさめ、特に詩には深い造詣を見せていた。 ドイツ、ヴァイマールに留学し、詩、文学、哲学、植物学、鉱物学、建築学、装飾美術をおさめた。 植物学においては大家となり、今日においても植物学者としての存在は大きな力を残している。また、再度科学を学ぶことによって、その後のガラス制作に大きな発展を もたらした。当時の美術界をゆるがしたジャポニズムの先導者、また象徴主義の原動力として、その功績は 画家ギュスターヴ・モローと並んで、19世紀末フランスの代表的芸術家として、その名をとどめている。 高い教養が裏付けとなって、ガラス芸術に投じた信念と自信ははかり知れないものであった。 当時の万博や様々な展示会、知識階級に絶大な力を持っていたサロンでの成功は華々しいものであった。 現在、残された作品の芸術性の高さは、比類なきものと、今日また世界的に再評価されている。 1904年9月23日、白血病により、58歳の生涯を閉じた。
エミールガレ美術館 館長   田 口 東 孝
1947年生まれ、1969年慶應義塾大学卒。
主にフランスを活動拠点とし、1985年、フランス鑑定人組合よりアール・ヌーヴォーの鑑定家の認定を受ける。 また、東京国立近代美術館工芸館の評価委員に選出される。
エミール ガレを中心としたアール・ヌーヴォー期の美術品を鑑定いたします。
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